歴史でたどる印刷技法の色々

歴史上たどると最も古いのが、中国の木版です。7世紀に木彫りで凸凹をつくり、インクをつけて紙に転写しました。11世紀には陶器、13世紀には高麗で金属活字が利用されました。しかし、これらの方法では、毎回版をいちから作る手間がかかります。

画期的な技法として登場したのが活版印刷です。中国では11世紀北宋の時代に漢字の活字を組み合わせる組版による印刷が行われました。西欧では1450年頃にグーテンベルクが発明したアルファベットの活版が革命的といわれています。アルファベットは26文字しかないため、聖書などの活字を大量印刷するのに役立ちました。

欧州では長く、活版の文字と凸版による挿絵が主流となります。その後、1798年にドイツで石版(リトグラフ)が発明されました。これが現在主流の平版の源流です。平版は、版に親油性の部分と親水性の部分をつくり水で湿らせます。

水は油性インクをはじくので、親油性の部分のみにインクがのる仕組みです。現在主流のオフセット印刷も平版で1904年にアメリカのルーベルがつくりました。版と紙が直接ふれないのが特徴で、版につけられたインクをまずブランケットとよばれる中間転写体に転写(オフセット)して、そこから紙に転写する手法です。出来上がりは非常に鮮明で、版が直接ふれないので摩耗がなく、短時間の大量印刷が可能です。

最初に設備投資がかかりますが、刷る量が多い程コストも安くなるメリットがあり、現在の商業機の主流がオフセット機です。

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